人生のイヤーな思い出その2続編

マリミルの母

2007年11月11日 06:53

さてさてお待たせいたしました。昨日の続きです。

口紅が鼻に入った私は彼が戻る前に出そうと必死でした。
万が一彼が来た時のためにハンカチで鼻から下を隠し指を入れ・・・。
しかし焦れば焦るほど口紅は奥に入っていきます。
しかも体温で口紅が溶け出しいじればいじるほど手の平まで赤くなる始末。
心臓はバクバク口から出そうなほどです。
「あーどうしよう!このままでは帰ってきてしまう。そうだ私もトイレに行こう」
と立ち上がった瞬間、連結器あたりに彼の姿が。「あぁぁぁぁ」

私は慌ててハンカチを半分に広げ顔にあてました。
「どうしたの?さっきかなり揺れたけど大丈夫だった?」
「う、うん。揺れで気分が悪くなったみたい」
「大丈夫?気持ち悪いの?」私の顔を至近距離で覗き込みました。
「うん。ちょっと」私はバレてはまずいと思い離れます。
彼と私に不穏な空気が流れました。(どうしようこのままではまずい・・・。)
事実を話そうかどうしようか迷っているうちに浜松駅に到着。

私は何とかトイレに行って口紅を取ろうと思っていました。
彼もこのまま帰るのは名残惜しいと思ったのか
「せっかくだから街中を少しブラブラしようか」
願ってもない言葉だったのですがそのまま行くわけには行きません。
「少し待っててくれる?吐き気がするからトイレに行ってくる」
と彼を待たせてトイレに猛ダッシュしました。

鏡を前に鼻元を隠しながら鼻息と指を使いながら口紅を押し出す私。
たぶんその時はかなり必死な形相だったと思います。
口紅を出す事に必死な私は、いつの間にかハンカチが落ちている事に
気が付きませんでした
大きな口を開け顔を斜めにしながら小指を鼻に入れる姿
誰もがオカシイと思ったに違いありません。
しかも鼻から口の周りは真っ赤ですから。

その時です
「キャー、どうしたのその顔。誰かー!!」
後から入ってきたオバサンが私の顔を鏡越しに見て叫んだのです。
そのうちトイレに人が集まりだしました
私は「すみません大丈夫です、大丈夫ですから」
と声を張り上げ言うも周りは私が事件の巻き添えになったと信じ込んでます。
気付けば黒山の人だかり
私は顔にハンカチをあてうずくまりました。

そのうち浜松駅中公安室の人がわたしの所にきて
「話を聞きたいから来て」
二人に両肩を抱かれて公安室まで・・・。

当然私の顔は周囲の目にさらされることに

騒ぎを聞きつけ彼がすぐ近くに居たのは言うまでもありません。

公安室では私が一人事情を聞かれて事の全てを話すと
公安室中が笑いの渦と化しました。(だから何でも無いっていったのに)
可哀相に思った公安官が松菱の化粧品売り場に連れて行ってくれました。
そこでもカネボウや資生堂の売り子さんが「どうしたの?」と駆け寄る始末。
結局はそこで綿棒を鼻に突っ込み中の口紅を取り出し
顔中に広がった口紅を落としてもらい何とかきれいになりました。

しかも私が松菱に入ったのは閉店直前。
みなさんお店が閉まってからも残業をして助けてくれました。
今は感謝の気持ちで一杯です。

海に一緒に行った彼はというと・・・・・・・・・・・・・・聞きたいですか?
その日はいつの間にか居なくなっていました。(待っててくれると信じてたのに)
そして次の日、交換日記に事の内容を書いて渡しました。
すると彼は日記にこう記して戻してきたのです




「交換日記は一時中止にしよう。それがお互いの為だと思う。」






はあ?何がお互いの為よ!







私の口紅だらけの顔に
引いただけだろうがーーー!!



その彼とはその後2度と口を利きませんでした。

私の苦い青春の思い出です。はあ






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