とりとめのない話として聞いてください・・・続き
昨日の続きです・・・・。
他の部屋と全く違う空間の仏間。
私は敢えてこの仏間でご夫婦と話をすることにしました。
カーテンが締め切ったままだったのでカーテンを開け
広縁にある様々な荷物をご夫婦と一緒に片付けました。
少しでも日の入る状態にしてお話をしたかったのです。
広縁にある物を一通り外に出し、広縁のお掃除をし
畳に生えたカビを拭き取りなんとか作業は終了。
半紙の上にお塩を置いて所定の場所に置きました。
この頃には「ピシピシ!」というラップ音は静かになっていました。
仏間でお話をするにあたり、もうひとつ済ませておかなければ
ならないことがありました。それはお仏壇にご挨拶をすることです。
ところがお仏壇にはあるべきものが何もありませんでした。
お花も無ければお線香立てすらありません。
本来やるべき事が何一つなされていなかったのです。
すぐさま仏具を揃えご飯とお茶を用意しお線香とお花を買って
来てもらいお仏壇にお供えしました。
そしてご夫婦に先ず今までの無礼を謝るように伝えました。
しかし奥さんはお仏壇に手を合わせることに抵抗があるらしく
なかなか手を合わせようとはしませんでした。
「このままでいいなら手を合わせなくて結構ですよ」
先ずはどういう人にであろうと縁があってここに住んでいる
わけですから手を合わせて申し訳なかったと謝らなければ
生活は今までと変わらないのです。
このあと何とか奥さんを説得して皆で一緒にお経を読み上げ
ご供養を済ませました。
その時お仏壇のお線香の煙が真っ直ぐに登って行きました。
さっきまではお線香に火さえつかない状態だったのです。
仏間でのご供養を終え、もう一つの気になる場所へ向いました。
その場所は鍵が掛けられており私達では開ける事が出来ません。
本来は部屋を開けて中の空気を換えきちんとした片付けをしなけ
ればならないのですが・・・。そう思いながらご夫婦と鍵の持ち主
に連絡をしようと話をしている最中電話が鳴りました。
その時の電話は鍵の持ち主からでした。
私が伺うと伝えてから何日も鍵の持ち主に連絡をしていたそう
なのですが、一度も連絡がつかないままだったそうです。
鍵の持ち主に連絡をして鍵を持って来てくれる様に頼みました。
そして待つこと二時間半、名古屋からその方は飛んできてくれました。
ご夫婦もそこに住んでから初めてその部屋の扉を開けるのを見たそうです。
するとそこには・・・・。
そのお宅に以前住んでいたお婆ちゃんの持ち物が形見として
残されていました。お婆ちゃんが好きだった椅子、裁縫箱、一面鏡
その他見るからに大正か昭和初期の頃のお道具の数々でした。
毎夜、そのお部屋から物音が聞こえてきたのもお婆ちゃんが
その部屋で過ごしていたからなんです。
そして、すすり泣く声はお仏壇に誰も手を合わせてくれなかった
悲しさと身内が誰もいない中で過ごす寂しさがあったから。
このお宅はご夫婦が6年前に借りたお宅でした。
借りる条件は仏間のお仏壇をそのまま置く事、そして開かずの間を
そのままにする事が条件だったそうです。
他人のお仏壇という事で触るのが怖くてご供養は何一つせず
そのうち仏間から色々な物音がするようになったので怖くなり
カーテンを締め切り仏間には殆ど入らない状態だったとの事。
日々音が大きくなり、最初は仏間と開かずの間からしか音が
聞こえなかったはずが、次第に家中を歩く人の気配や声で
精神的肉体的に耐え切れなくなり私の元に話が来たのでした。
この後、お仏壇もお婆ちゃんの荷物もご親族の元へ返されました。
お婆ちゃん、これでもう寂しくないよね
http://www.frebull.info←マリミル応援サイトです。
今日も1日1回ポチっとお願いします(^O^)/
関連記事